preterm premature rupture of membrane(pPROM)で羊水過少を伴う症例は妊娠分娩転帰への悪影響があるとされている.本研究では,前期破水後24時間以内に計測された羊水量の差が妊娠分娩転帰へどのような影響を及ぼすのか検討した.当院で妊娠32週未満にpPROMとなり,抗菌薬とベタメタゾンを投与し,48時間以上待機的管理が可能であった症例107例を対象とし,羊水過少群36例と羊水正常群71例に分けて妊娠分娩転帰の比較を行った.母体背景は両群に差はなく,羊水過少群は羊水正常群に比して破水時週数(25.8週 vs 26.9週)は変わらなかったが,在胎日数延長期間(10.8日 vs 20.0日)は短い傾向にあり,分娩時週数は有意に早かった(27.4週 vs 29.8週,p=0.011).また,羊水過少群で,妊娠期間中最後に測定された羊水量が過少であった割合,アプガースコア5分値7点未満,周産期死亡,新生児呼吸窮迫症候群,新生児合併症が有意に多かった.pPROM後の羊水過少群は,羊水正常群に比して妊娠分娩転帰が不良であることが確認された.pPROM後の羊水過少例では,在胎日数の延長が期待できず妊娠分娩転機が不良である可能性を念頭に置いた妊娠分娩管理が必要である.
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