扁平上皮癌のリンパ節転移はしばしば嚢胞状の形態を呈することが知られているが,子宮頸癌で遭遇することは比較的稀である.今回,骨盤リンパ節転移が嚢胞状の形態を呈していた子宮頸癌の1例を経験したので報告する.症例は55歳女性,1経妊0経産で子宮頸部細胞診異常で前院を受診.子宮頸部組織診の結果は扁平上皮癌であった.手術は拒否されたため,放射線治療目的に当院紹介初診された.子宮頸癌1b1期の診断で放射線単独治療を行った.治療後8か月目に右閉鎖リンパ節転移が指摘され,治療前MRIの見直しを行ったところ同部位に20 mm大の嚢胞性病変が認められた.照射野内再発のため,手術による再発リンパ節切除を行い,さらに再燃の可能性も考え閉鎖腔に大網充填を行った.現在再燃なく経過している.子宮頸癌に対する初回放射線治療では,リンパ節転移のある症例では転移リンパ節にBoost照射が必要となるため,治療前の画像評価の重要性が再認識された.
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