trophoblastの異常に端を発する絨毛性疾患は「妊娠」あるところ必ず発生し，頻度は少ないとは言え，決して無くならない疾患である．また，その発生はヒト以外にはほとんど報告されておらず，発生学的，免疫学的，そして腫瘍学的にも特殊かつ独特の性格を持つ絨毛性疾患は，臨床的・基礎的研究対象としても興味深いと思われる．
　今回は，胞状奇胎診断の難しさ，不確かさなどについて概説し，併せて国際絨毛性疾患学会（International Society for the Study of Trophoblastic Diseases）がインターネット上で公開している有用な情報を紹介する．