婦人科領域でサルコイドーシスが組織学的に診断される例は稀であり,本邦では良性腫瘍に伴う骨盤リンパ節腫大からサルコイドーシスの診断に至った報告はない.骨盤リンパ節腫大を契機にサルコイドーシスの診断に至った1例を経験した.
症例は48歳 未経妊.子宮筋腫,卵巣腫瘍の精査中に右内腸骨動脈領域に複数のリンパ節腫大を認め,開腹時に摘出したところ,病理組織診断からサルコイドーシスが疑われた.心電図検査において,完全右脚ブロックを示し,ガリウムシンチ,心臓MRI検査により,心臓サルコイドーシスと診断され,ステロイドが導入された.
骨盤リンパ節腫大の原因にはサルコイドーシスも念頭におく必要があり,診断にはリンパ節生検が有用である.
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