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第52巻 第4号

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症例報告
妊娠・分娩ならびに産褥期に症状が増悪した重症筋無力症合併妊娠の一例
鈴木 崇, 金野 潤, 牧野 康男, 永田 怜子, 小平 賢介, 三谷 穣, 小川 正樹, 松井 英雄
東京女子医科大学産婦人科学教室
関東連合産科婦人科学会誌, 52(4):549-553, 2015

 重症筋無力症(Myasthenia gravis:MG)は,抗アセチルコリン受容体抗体(抗AchR抗体)が神経筋接合部へ作用し,神経・筋伝達を阻害する自己免疫疾患である.今回我々は,妊娠・分娩・産褥期に増悪し,筋無力症クリーゼを呈したMG合併妊娠を経験したので報告する.症例は42歳,2経妊1経産.37歳での自然流産後にMGを発症したが,40歳で症状改善した.42歳で自然妊娠となり,妊娠17週で眼瞼下垂が出現した.妊娠28週で筋無力症クリーゼを発症し,入院後に免疫グロブリン(Intravenous immunoglobulin)療法が再開されたが軽快し,妊娠33週で退院となった.妊娠37週で再度,筋無力症クリーゼを発症し,入院後に免疫グロブリンが再開された.妊娠38週に自然陣痛発来した.分娩第2期に呼吸困難が出現したために筋無力症クリーゼなどを疑い,吸引分娩を施行した.2,544 g, Apgar score 1分8点,5分9点の児を娩出した.臍帯血で抗AchR抗体陽性であったが,新生児MG症状は認めなかった.産褥27日目に退院し,現在,神経内科で経過観察中である.

Key words:myasthenic crisis, myasthenia gravia, pregnant
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