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第52巻 第4号

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症例報告
妊娠後に診断され妊娠30週での分娩となった再生不良性貧血の一例および過去の症例報告のまとめ
福田 晋也, 永松 健, 入山 高行, 矢部 慎一郎, 堀越 嗣博, 兵藤 博信, 山下 隆博, 亀井 良政, 大須賀 穣, 藤井 知行
東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
関東連合産科婦人科学会誌, 52(4):595-601, 2015

 妊娠中に診断される再生不良性貧血(aplastic anemia,以下AA)の報告は限られており,また妊娠中の管理方法についてのコンセンサスは確立していない.特に重症例では母体の予後をふまえた上での妊娠終了のタイミングについて臨床的に難しい判断を迫られることが多い.本報告では妊娠後にAAを診断し頻回の輸血療法により妊娠の継続を図るも血小板不応症となり妊娠30週での分娩を余儀なくされた一例について報告する.また妊娠中発症の再生不良性貧血に関する過去の報告をまとめた上で考察する.
 症例:39歳0経妊0経産.妊娠12週に血小板減少及び出血傾向を認め,妊娠18週にAA stage 2(表1)と診断,その後stage 3に進行し輸血療法により妊娠延長を行っていた.妊娠29週より血小板輸血不応症を呈したために,妊娠30週1日に全身麻酔下での緊急帝王切開術を施行した.術後子宮収縮不全に起因する持続的な子宮出血のため子宮動脈塞栓術を要した.

Key words:pregnancy, aplastic anemia, blood transfusion, platelet transfusion refractoriness
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