Disorders of Sex Development(DSD)は「染色体,性腺,または解剖学的性が非定型である先天的状態」と定義される.今回,46,XY DSDで性腺に悪性腫瘍を合併した2例を報告する.症例1は40歳,女性(表現型).下腹部痛で前医を受診し,腟が盲端で子宮が確認できず骨盤内腫瘤を認めたため当院に紹介となった.染色体は46,XYで精査の結果,完全型アンドロゲン不応症に合併した性腺腫瘍と診断し,性腺腫瘍摘出術,大網切除,S状結腸腫瘍摘出,リンパ節生検を施行した.病理組織診断はseminoma, Stage IIIcで,術後にBEP療法を施行した.症例2は16歳,女性(表現型).原発性無月経を主訴に前医を受診した.染色体が46,XYで,骨盤内に充実性腫瘤を認めたため当院に紹介となった.精査の結果,完全型性腺異形成(Swyer症候群)に合併した性腺腫瘍と診断し,性腺腫瘍摘出術を施行した.病理組織診断はgonadoblastoma, dysgerminoma, Stage Ibで後療法は行わなかった.
46,XY DSDは性腺に悪性腫瘍を発症することがあり,疾患によりリスクと推奨される性腺摘出時期が異なるため,正確な診断が求められる.また今後,より質の高いエビデンス構築のために症例の集積が必要である.
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