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第52巻 第4号

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症例報告
子宮原発Perivascular epithelioid cell tumorの一例
大和田 彬子1), 高野 浩邦1), 小田嶋 俊1), 田中 昌哉1), 秋山 由佳1), 斉藤 三和1), 山下 修位1), 宇田川 治彦1), 駒崎 裕美1), 鈴木 二郎1), 鈴木 美智子1), 江澤 正浩1), 小曽根 浩一1), 田部 宏1), 佐々木 寛1), 金綱 友木子2), 岡本 愛光3)
1)東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科
2)東京慈恵会医科大学附属柏病院病院病理部
3)東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 52(4):727-731, 2015

 Perivascular epithelioid cell tumor(PEComa)はPerivascular epithelioid cell(PEC)からなる間葉系腫瘍と定義される.今回我々は子宮原発のPEComaの1例を経験したので報告する.症例は43歳,0経妊0経産.不正性器出血を主訴に前医を受診し,卵巣腫瘍の診断で紹介となった.MRIで子宮背側に出血を伴う充実成分を含む多房性嚢胞性腫瘤を認め卵巣癌または子宮肉腫の診断で開腹手術を行った.ダグラス窩に子宮後壁より発生する超手拳大の腫瘍を認めた.腫瘍は壊死様でダグラス窩腹膜に浸潤を疑う所見を認めたため子宮肉腫の診断で子宮全摘出,両側付属器摘出,ダグラス窩腹膜切除を行った.腹腔内に播種は認められず,肉眼的に残存腫瘍は認められなかった.病理組織診断の結果はPEComaの特徴であるSMA陽性,HMB-45陽性を示す卵円形から紡錘形の腫瘍細胞や淡明な胞体を有するepithelioidな腫瘍細胞の増殖がみられた.現在,術後13か月の時点で再発所見を認めていないが本症例は再発の可能性を否定できず,今後も長期にわたり経過観察を予定している.

Key words:Perivascular epithelioid cell tumor, Uterus
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