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第52巻 第4号

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特集 第128回学術集会優秀演題賞演題
原発性無月経37症例の解析
瀬戸 さち恵, 岡垣 竜吾, 亀井 良政, 石原 理
埼玉医科大学産科・婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 52(4):793-798, 2015

 原発性無月経は多彩な原因によるため,解剖学的・内分泌学的・細胞遺伝学的検査による鑑別診断を系統的に進め,正確な診断に基づいた治療を開始する必要がある.今回我々は,産婦人科を受診する原発性無月経の診断・治療の現況を明らかにすることを目的として,当院症例の解析を行った.2008年1月から2014年6月までに当院外来に初診した原発性無月経37例を対象とし,初診時年齢,検査,診断,治療について診療録を後方視的に解析した.初診時の主訴は原発性無月経31例,周期的腹痛5例,原発性不妊1例であった.37例全てにおいて確定診断とそれに基づいた治療が行われた.そのうち,26例に性分化異常(Disorders of Sex Development;DSD)があった.また,37例全例に染色体検査が施行され,結果は45,X 7例,46,XY 10例,46,XX 20例であった.DSDではない原発性無月経が11例(WHO group I 8例,group II 2例,group III 1例)であった.全例において本人および家族への診断告知が行われていた.治療としては46,XYは全例に性腺摘出術が,月経血流出障害を伴う正常核型のDSDに手術治療が行われていた.45,Xの全例,46,XYの性腺摘出術後,DSD以外の原発性無月経10/11例にHRTが行われた.37例のうち80%YAM以下の骨量減少指摘が4例,投薬治療は2例であった.原発性無月経の取り扱いにおいては系統的な検査により迅速な診断を行い,治療目標を明確にし,正確な診断に基づいて本人への告知と妊孕性・遺伝に関わるカウンセリングを行うことが肝要である.

Key words:primary amenorrhea, Disorders of Sex Development
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