周産期心筋症は分娩前1か月から分娩後5か月の間に心疾患の既往がない妊婦が心不全症状を呈する予後不良な疾患である.今回,心不全治療にカベルゴリンを併用し心機能が改善した周産期心筋症の一例を経験したので報告する.症例は34歳,未経妊.重症妊娠高血圧症候群,胎児機能不全で緊急帝王切開術施行.術後弛緩出血を発症し当院へ母体搬送された.来院時,胸部レントゲンで肺水腫,胸水貯留,心陰影の拡大,心臓超音波検査でEjection Fraction(EF)28%があり周産期心筋症と診断した.前・後負荷の軽減,心収縮を増強させる心不全治療と同時に,7週間のカベルゴリン内服による治療を開始した.第23病日にはEF 42%まで改善し退院し,治療開始6か月後にはEF 63%まで改善した.
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