子宮体部漿液性腺癌は,明細胞癌や類内膜腺癌G3と同様,子宮体癌における予後不良組織型とされている.抗がん剤感受性が低く,類内膜腺癌G1のように,高用量黄体ホルモンの適応となることも少なく,予後不良である.今回我々は,手術後診断で子宮体部漿液性腺癌IIIC期と診断され,補助化学療法終了後,わずか2か月で多発リンパ節腫大を指摘され,放射線療法を行うも,1年2か月で照射野内再発を認めた症例を経験した.副反応により化学療法を継続することができず,高用量黄体ホルモン療法を開始したところ転移リンパ節は縮小し,服用開始から約3年,術後5年余り経過するが,無増悪生存を維持している.子宮体部漿液性腺癌でMPAが奏効した例は少ない.病理組織学的検討,文献的考察を加えて報告する.
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