頸管妊娠の子宮温存療法として,メソトレキセート療法(MTX療法)や子宮動脈塞栓術(UAE)の報告が多く見られる.しかし,合併症の報告もあり,未だ確立された方法はない.今回,妊娠初期に診断された頸管妊娠2例に対し,バソプレシン局所投与を併用した子宮内容除去術を行った.生理食塩水で100倍に希釈したバソプレシンを,子宮頸部の胎囊周囲に局所投与した.胎児心拍と胎囊への血流消失を確認後,吸引法による子宮内容除去術を行った.術後,特記すべき合併症はなく,血中hCG値は順調に陰性化した.バソプレシンは子宮頸部においても止血効果に優れていた.バソプレシン局所投与を併用した子宮内容除去術は,短期入院で行うことが可能なため,患者のQOLが高い.今後,妊娠初期の頸管妊娠の子宮温存療法の選択肢となり得る.
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