侵襲性血管粘液腫(Aggressive angiomyxoma)は主として生殖年齢女性の外陰部や会陰部,骨盤内に好発する良性腫瘍である.治療の基本は外科的な腫瘍切除となるが,術後の再発率が高く,その原因は周囲組織に残存する微小な腫瘍浸潤とされている.そのため,摘出腫瘍の断端が陰性である場合の再発率は報告されていないものの,初回手術にて腫瘍を完全切除することが再発抑制の要点と考えられる.今回我々は術中の迅速病理診断を行うことで腫瘍の完全切除をし得た侵襲性血管粘液腫の症例を経験した.症例は44歳,3経妊3経産,2年前より右大陰唇に増大傾向にある腫瘍を認めていた.発熱及び外陰部腫瘍を主訴に当院を受診し,長径約25 cmに及ぶ腫瘍は画像所見より侵襲性血管粘液腫が疑われた.術中の迅速病理診断を施行することによって,腫瘍が侵襲性血管粘液腫であると診断し,さらに切除断端に腫瘍組織を認めないことを確認し腫瘍の完全切除をし得たと判断した.術後1年の観察期間内で再発・転移は認めていない.
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