性染色体モザイク型のターナー女性は,45,X/46,XYのモザイク型の染色体構成を有する.通常出生時より社会的性は女性として生育され,思春期以降に2次性徴の欠如から診断されることが多い.低形成の性腺からは悪性腫瘍を発症する危険が高いため,予防的に性腺摘出を行うことが推奨されている.また性腺摘出後はエストロゲン補充の有益性が高い.
治療に際しては本人の社会的性を尊重しつつ適切なカウンセリングを実施する必要がある.
本患者は18歳の未経妊の女性で,無月経を主訴に当科へ紹介された.GnRH負荷検査を含む内分泌検査および,染色体検査で45,X/46,XYのモザイク型の染色体構造を有することから診断された.腹腔鏡下に性腺摘出術を行い,病理組織診では精巣上体様構造を有していたが分化した性腺の構造を認めなかった.術後現在に至るまでホルモン補充療法を継続している.本症例の治療経過を報告し,本疾患に対する望ましい治療のあり方について考察する.
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