39歳女性.妊娠7週3日で子宮内外同時妊娠が疑われ当院紹介受診した.子宮腔内に不整な胎囊像と右卵巣に接して胎囊と胎児様所見を認めた.血中hCG値の上昇も認めていた.稽留流産および異所性妊娠の可能性があり子宮内容除去術および腹腔鏡下右卵管摘出術の方針とした.子宮内容除去術を行ったところ局所のtrophoblastの増生を認めるなどの所見から部分胞状奇胎と診断した.
また腹腔鏡手術を行ったところ右卵管遠位部は腫大しており,右付属器摘出術を施行したが病理組織診では卵管上皮から連続する異型細胞の乳頭状増殖を認め細胞異型の程度により漿液性境界悪性腫瘍と診断した.部分胞状奇胎に対しては術後8週間後にhCG陰性を確認し,その後も経過順調型であった.右卵管上皮由来の漿液性境界悪性腫瘍についてもCT検査で転移や再発を疑わせる所見なく経過した.
卵管腫瘍は稀な疾患であるが超音波検査においては,時に子宮外妊娠との鑑別が必要になる場合もあるため注意が必要である.
〒102-0083
東京都千代田区麹町4-7
麹町パークサイドビル402
(株)MAコンベンションコンサルティング内
E-mail:kantorengo@jsog-k.jp