子宮体癌の中・高リスクにおける術後補助療法の方法のコンセンサスは得られていない.術後放射線療法を組み合わせた後療法の治療成績と予後を検討した.【対象と方法】当院倫理制度のもと,2000年~2013年に当院で根治術を行った子宮体癌559例のうち,再発中リスク以上を有する154例に対し術後放射線治療を行った群(RT群)72例と,化学療法を行った群(CT群)82例(追跡期間中央値RT群112か月,CT群61か月)を対象とし,全生存期間,初回再発部位,合併症について比較検討した.【結果】再発中リスク以上の検討では5年生存率に有意な差は認めなかった(RT群91.1%,CT群84.0% P=0.1202).再発高リスク群のみに限定し解析すると,RT群で有意に5年生存率が改善された(RT群91.1%,CT群76.2% P=0.0248).初回再発部位は両群に明らかな差は認めなかった.Grade3以上の合併症の発生率は両群に有意差を認めなかった.【結論】子宮体癌高リスク群症例において化学療法に比べ,放射線療法を組み合わせた術後治療の予後が良好であった.術後補助療法として化学療法のみで効果が期待しにくい高リスク症例では,放射線治療も選択肢となりうると考えられた.
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