子宮平滑筋肉腫(Uterine Leiomyosarcoma,以下LMS)は稀で,再発率が高く予後不良な疾患である.当院で経験したLMSの予後規定因子について検討を行った.当院にて2007年8月から2017年7月の10年間に治療を行った21例のLMSを対象とした.年齢中央値53歳(39~82歳),LDH中央値271.5 U/ml(109~1,607 U/ml),腫瘍径中央値10 cm(2.5~33 cm),摘出子宮重量中央値817.5 g(107~3,170 g),進行期(FIGO2008)はIA期4例,IB期11例,IIB期1例,IVA期1例,IVB期4例であった.術後化学療法(GD療法)は9例に施行された.再発進行したのは15例でこのうち8例は原病死した.再発に影響する因子は進行期のみで,年齢,LDH値,腫瘍径,検体重量,病理所見,術後薬物療法は影響しなかった.完全切除術後の再発期間中央値は18か月で,再発までの期間が長いほど生存期間が長い傾向を認め,再発時の腫瘍減量手術が生存期間を延長させた.
LMSを早期に発見して完全切除することが最良の治療である.また,再発までの期間や腫瘍減量手術が再発時の予後因子となる可能性がある.
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