婦人科検診で偶然発見され,術前子宮動脈塞栓術と子宮全摘術の併用により根治した子宮動静脈奇形の1症例を経験した.症例:42歳女性,他院子宮頸がん検診の経腟超音波検査で異常を指摘され当科紹介となった.経腟超音波検査で左子宮付属器周囲に30×40 mmのecho free spaceを認め,カラードプラで内腔に豊富な血流を伴っていた.骨盤MRIでは子宮両側のflow voidと子宮左背側に異常血管の集積を認めた.3D CT angiographyで子宮筋層内に直径約40 mmの構造物と近傍の血管増生を認め,内腸骨動脈及び内腸骨静脈との連続性が確認されたことから,子宮動静脈奇形の診断に至った.妊孕性温存の希望がなく,根治性を第一に考慮し,術中出血の減量を目的として術前に両側子宮動脈塞栓術を行い,単純子宮全摘術が施行された.
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