TAFRO症候群は原因不明の全身性炎症性疾患で,Thrombocytopenia(血小板減少),Anasarca(全身性浮腫),Fever(発熱),Reticulin fibrosis(骨髄線維症)あるいはRenal dysfunction(腎障害),Organomegaly(臓器腫大)を伴う.診断に苦慮したTAFRO症候群の流産症例を報告する.症例は31歳,2妊1産.妊娠9週に全身倦怠感と発熱が出現,感冒と診断された.妊娠10週に稽留流産と診断され,子宮内容除去術の術前検査で血小板数減少,肝腎機能障害,炎症反応の上昇が判明し,当院へ搬送された.血液検査で血小板数0.5×104/μL,CRP 28.3 mg/dL,抗菌薬投与と血小板輸血後に子宮内容除去術を施行した.造影CTでは全身多発リンパ節腫脹,全肺野びまん性すりガラス影,肝脾腫,両側胸水貯留を認め,骨髄生検では骨髄過形成と骨髄巨核球増多を認めた.悪性腫瘍や感染症,膠原病,IgG4関連疾患等は除外し,第23病日にTAFRO症候群の診断基準に一致して診断に至った.プレドニゾロン70 mg/日とシクロスポリン50 mg/日の併用で血小板は徐々に増加,著明に改善し退院に至った.
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