(緒言)子宮筋腫摘出後,子宮内膜が菲薄化した患者に対して,レノグラスチム子宮内腔注入後,凍結融解胚移植を実施し生児を獲得した一例を経験したので報告する.(患者)38歳0妊婦.腹痛を主訴に前医を受診,多発子宮筋腫と診断され挙児希望があるため精査加療目的で当院に紹介受診となった.合併症の全身性エリテマトーデスがステロイド製剤と免疫抑制剤の服薬下で安定してコントロールされていることを確認後,子宮筋腫核出術を施行.引き続き,クロミフェン療法とゴナドトロピン療法を計10周期施行するも妊娠に至らなかった.子宮内膜の菲薄化を認めたためトコフェロール酢酸エステルの内服を開始した.その後体外受精を実施し1回目は胚盤胞を新鮮胚移植したが妊娠に至らなかった.2回目はアスコルビン酸・パントテン酸内服を追加した上で,ホルモン補充周期下にレノグラスチム300 μgを子宮内腔に注入後,タイミングを計って凍結胚盤胞を融解胚移植した.妊娠反応は陽性となったが継続妊娠には至らなかった.3回目は採卵後day5で全胚凍結を行い,レノグラスチム注入後タイミングを計って胚盤胞を融解胚移植して妊娠,生児を獲得した.(考察)子宮内膜菲薄化症例に対してレノグラスチム子宮腔内注入法は有用な治療となる可能性がある.
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