当院では挙児希望女性に子宮内膜ポリープの存在が疑われた場合は,ソノヒステログラフィーにてその性状を確認のうえ,積極的に摘出している.今回の検討の対象は2015年1月から2018年7月の期間に当院で挙児希望の主訴で来院し,子宮内膜ポリープの存在が疑われ,摘出手術を施行した症例159例とした.子宮内膜ポリープの診断はソノヒステログラフィにて行い,ポリープ摘出術は静脈麻酔下に,内膜掻爬(胎盤鉗子とキューレット)にて行った.摘出後の病理診断は,子宮内膜ポリープ143例,子宮内膜組織11例,子宮筋腫1例,単純性子宮内膜増殖症2例,子宮内膜異型増殖症1例,類内膜腺癌1例であった.なお,Atypical endometrial hyperplasiaの症例は再度の子宮内膜全面掻爬で類内膜腺癌(Grade1)の診断となり,子宮内膜がんは1.26%(2/159)と少なくない頻度で見られた.また子宮内膜ポリープ摘出後の1年以内の妊娠率は54.1%(86/159例)となった.
不妊症患者を対象に内膜ポリープ摘出すると,有意に妊娠率が高まったとする報告が多い.また内膜ポリープが疑われた場合,悪性を否定するために必ず摘出後の病理診断を行う必要があると考えられた.
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