一般病院である当院において,超緊急帝王切開のシステム構築を行い,過去の超緊急帝王切開に相当する症例との手術決定から児娩出までの時間(Decision to delivery time:DDT)の比較を行った.(方法)2016年4月より超緊急帝王切開のシステム構築を行った.緊急帝王切開の緊急度の認識を統一し,連絡系統の整備,術前チェックリスト,アクションカードの作成等を行い,定期的なシミュレーションを実施した.システム導入前の2006年4月から2016年3月までの10年間(期間A)の超緊急帝王切開相当症例と,導入後の2016年4月から2018年6月までの2年間(期間B)の超緊急帝王切開症例におけるDDTを比較した.(成績)期間Aにおける総分娩数は3,228例,超緊急帝王切開相当症例は16例であった.常位胎盤早期剝離6例,胎児心拍異常6例,切迫子宮破裂2例,臍帯脱出1例,子癇疑い1例で,DDTは66分(中央値)であった.2例が新生児死亡であった.期間Bにおける総分娩数は810例,超緊急帝王切開は7例であった.胎児心拍異常6例,常位胎盤早期剝離1例で,DDTは13分(中央値)であった(p<0.01).脳性麻痺が1例で,新生児死亡はなかった.(結論)一般病院における超緊急帝王切開システム導入は,DDTを短縮できる.
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