プラチナ抵抗性再発卵巣癌の治療においては,AURELIA試験により化学療法単独と比べ,Bevacizumab(BEV)併用にて無増悪生存期間(PFS),客観的奏効率(ORR)の改善が示されたが,Gemcitabine(GEM)+BEV併用療法についてもPFS,ORRの改善を示すという報告がある.2015年1月から2018年12月に,当院にてGEM+BEV併用療法を行ったプラチナ抵抗性再発卵巣癌・腹膜癌9症例を対象とし,効果および有害事象を後方視的に検討した.症例は卵巣癌6例,腹膜癌3例であり,組織型は漿液性癌6例,明細胞癌3例,進行期はI期1例,III期5例,IV期3例だった.GEM+BEV投与開始時の年齢の中央値は,66(55~73)歳,前治療レジメン数の中央値は2(1~9)レジメン,投与サイクル数の中央値は8.0(1~13)サイクルだった.抗腫瘍効果はPR5例,SD2例,PD2例であり奏効率は55.6%であり,PFSは,中央値6.0(1~18)か月,全生存期間(OS)は,16.0(7~32)か月であった.Grade3/4の有害事象は,好中球減少症が4例,蛋白尿が1例であり,1例で減量,1例で中止となった.プラチナ抵抗性再発卵巣癌・腹膜癌に対するGEM+BEV併用療法は,脱毛や消化器症状が少なく,QOLを損なわずに長期間継続できる,有効かつ安全な治療法と考えられた.
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