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第57巻 第1号

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症例報告
子宮筋腫茎捻転に対して施行した緊急腹腔鏡下子宮筋腫核出術後に医原性と非医原性の寄生平滑筋腫を認めた1例
岩原 由樹, 吉木 尚之, 中村 玲子, 齋藤 和毅, 中筋 貴史, 平光 史朗, 大島 乃里子, 石川 智則, 若菜 公雄, 宮坂 尚幸
東京医科歯科大学大学院生殖機能協関学
関東連合産科婦人科学会誌, 57(1):53-60, 2020

 我々は子宮筋腫茎捻転の診断でLMを施行し,その半年後に再度行った腹腔鏡下手術時に医原性と非医原性の寄生平滑筋腫を認めた症例を経験した.症例は44歳,0妊0産,10年前から多発性子宮筋腫を指摘されていた.突然の下腹部痛にて当院初診となり,疼痛の部位は子宮筋腫と一致していた.造影CTにて子宮筋腫が腫大し造影効果が不良となる部分を認め,子宮筋腫茎捻転の診断で緊急LMが施行された.緊急手術のためすべての筋腫の核出はできなかったが,360度捻転した子宮筋腫(293 g),10 cm以上の漿膜下筋腫(462 g),それらに近接する子宮筋腫の合計11個を核出し,モルセレーションにより体外に摘出した.病理組織学的診断は筋腫の捻転による梗塞の所見であった.外来で残存する5 cm大の子宮筋腫の治療方針を患者と相談したところ手術療法を希望され,GnRHa療法を開始した.GnRHa療法3回施行後行ったMRIで子宮と連続性のない3 cm大の腫瘤を認め,前医で行ったMRIを見返したところ,同部位に同じ腫瘤を認めたため非医原性の寄生筋腫が疑われた.再手術の術中所見では初回LM時に回収しきれなかった小細切病変2個とダグラス窩に子宮と連続性がない3 cm大の腫瘤を認め,それぞれ寄生平滑筋腫と考えられた.近年医原性の寄生平滑筋腫の報告が増加しており,LM時の筋腫回収方法の検討も数多くなされているため,文献学的所見も加えて報告する.

Key words:Parasitic myoma, Torsion of a myoma, laparoscopic operation, emergency operation, morcellation
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