再発子宮頸癌に対してBevacizumab(以下Bev)を使用中に直腸潰瘍を認め,Bev中止するも直腸腟瘻を発症した症例を経験した.症例は57歳,子宮頸癌IIIB期に対して根治的同時化学放射線療法施行後,直腸左側に再発を認めた.再発に対してTP(PTX+CDDP)+Bev療法を開始した.TP+Bev開始前の下部消化管内視鏡検査では直腸に極軽度の発赤を認めるのみだった.4サイクル施行後に腹痛・肛門痛・粘血便が出現し,下部消化管内視鏡検査を施行したところ直腸Rb腹側に潰瘍性病変を認めた.今後,直腸腟瘻を来す可能性が高いと判断しBev投与を中止した.TPのみ再開したが,再度疼痛を訴え,内診にて直腸腟瘻を認めた.疼痛を認めたため,ハルトマン手術を施行した.術後経過は良好であり,退院となった.
Bev使用時には消化管潰瘍や穿孔のリスクを念頭におき定期的に経過をみる必要がある.これらのリスクを早期発見するために下部消化管内視鏡検査は有用である.
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