2020年からの初期研修医の産婦人科研修の再必修化を前に,わが国の初期臨床医への『妊娠・授乳と薬』に関する研修の現状を把握するため,全国の初期臨床研修施設の指導医に郵送アンケート調査を行った.回答のあった141施設のうち,『妊娠・授乳と薬』の研修を行っていない施設が4割あり,病院の種類や初期研修医の定員数別に比較したが,その割合に有意差は認めず,研修が行われないことと,指導医側の施設規模や人的な要因,初期研修医の定員数とは関連しなかった.研修が行われていない理由は,環境的な要因よりも,研修指導医にとって,他の研修よりも初期臨床研修での『妊娠・授乳と薬』研修の優先度が低いことにあると示唆された.統一された初期研修医指導のガイドラインや教育システム作りを求める意見も多く,こうした現状をふまえて2020年度からの初期研修医の産婦人科研修を行う必要があると考えられた.
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