2019年12月末に中国湖北省から報告された原因不明の肺炎は2020年1月に新型コロナウイルス(severe acute respiratory syndrome coronavirus 2:SARS-CoV-2)によるものと特定され,SARS-CoV-2により引き起こされる疾患をcoronavirus disease 2019(COVID-19)と命名された.日本ではCOVID-19は二類感染症に指定されているが,感染症法は妊娠中の感染を想定しておらず,対応は個々の医療機関に委ねられている.COVID-19の大流行が日本で発生した場合に当院でもCOVID-19罹患妊婦を受け入れる可能性があったが,その態勢は構築されていなかった.そこで院内のCOVID-19罹患妊婦の受け入れ態勢を構築した.受入の病棟は産婦人科一般病床から隔離することが可能なLDRを使用する方針とし,ゾーニングをおこなった.スタッフはPPE(個人防護具)を使用し,入院管理や分娩,新生児対応は関連学会のガイドラインを基にして決定した.受け入れならびに分娩のシミュレーションを経て,疑似症(COVID-19罹患を疑われPCR検査をおこない,結果を待つ患者)の妊婦1名をCOVID-19罹患妊婦と同様の態勢で受け入れた.COVID-19罹患妊婦に関する文献的報告を交えて概要を報告する.
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