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第58巻 第1号

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症例報告
続発性無月経を主訴に受診し結核性子宮内膜炎から活動性肺結核の診断に至った1例
岩田 成志, 野口 里枝, 渡邉 久美子, 伊藤 浩子, 染谷 勝巳
茨城西南医療センター病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 58(1):49-53, 2021

 症例は45歳,3妊3産,フィリピン国籍.続発性無月経,子宮がん検診希望で当院を初診した.約1年前に近医で胸水貯留を指摘されたが精査は拒否した既往がある.初診時,中等量の水様帯下と経腟超音波検査で子宮内腔を充満する高輝度病変を認めた.内膜組織診では壊死組織のみで悪性所見を認めなかったが,悪性疾患の可能性を否定できないため診断目的に子宮内膜全面掻爬を施行した.摘出標本より類上皮細胞肉芽腫を多数認め,結核菌PCR陽性のため結核性子宮内膜炎と診断した.全身精査目的の胸腹部CT検査で粟粒結核,右上肺野の空洞性病変を認め,喀痰塗抹検査は陰性だが結核菌PCR陽性で活動性肺結核と診断した.治療予定であったが受診を拒否し,現在は保健所より追跡中である.結核性子宮内膜炎は続発性無月経をきたす疾患であるが,近年では稀である.本邦における性器結核の報告では閉経後の不正性器出血に対して悪性疾患を疑う報告が多く,続発性無月経を主訴とする報告は少ない.続発性無月経を主訴に閉経前女性が受診し,子宮に異常陰影を認めた場合には結核の可能性も考慮した診療が必要である.

Key words:tuberculous endometritis, secondary amenorrhea, active pulmonary tuberculosis
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