Retained products of conception(RPOC)は大量の子宮出血を起こすことがあるため管理に苦慮する.今回われわれは早期流産後のRPOCの管理について検討した.対象は2016年1月~2019年11月に当院で管理した妊娠12週未満の自然流産あるいは人工妊娠中絶術後のRPOC 33例で,年齢は27~46(中央値36)歳,凍結融解胚移植による妊娠が13例(39%),診断時のRPOCの大きさは経腟超音波検査で長径8~50(中央値14)mmであった.7例は不妊治療再開のために直ちに治療を行った.経過観察とした26例のうち5例(19%)に大量出血,9例(35%)に自然排出がみられた.診断時に23例でRPOC内部と付着部の子宮筋層内に著明な血流を認め,その後も血流が持続した16例のうち5例で大量出血が起こり緊急で治療を行った.経過中に血流の消失が認められた9例は大量出血を起こすことなく自然に排出した.治療は子宮内容除去術12例,子宮鏡下手術11例,血液型がRh(-)で仮性動脈瘤を形成し大量出血がみられた1例に子宮動脈塞栓術を先行して子宮鏡下手術を行った.いずれも術中出血量は50 mL以下であった.早期流産後のRPOCにおいて,血流の持続,消失はその後の臨床経過と有意な関連を示したが,大量出血がみられた時期は流産後2~18週と差が大きく,あらかじめ予測することは困難であった.
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