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第59巻 第1号

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症例報告
多発肺転移で再発した子宮体癌にPembrolizumabが奏効した1例
熊﨑 誠幸1), 渡邉 久美子1), 江幡 莉都1), 渡邊 明恵1), 本間 悠1), 大石 康文2), 所 恭子1), 漆川 邦1), 角田 肇1)
1)日立総合病院産婦人科
2)東京医科大学病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 59(1):49-52, 2022

 多発肺転移で再発した高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high;MSI-High)子宮体癌に対してPembrolizumabを使用し奏効した1例を経験した.症例は63歳,治療2年前からの不正性器出血を主訴に受診し,子宮体癌IA期疑いと診断された.ロボット支援下腹腔鏡下腟式子宮全摘術および両側付属器摘出術,骨盤リンパ節郭清術を施行し手術進行期IA期(T1aN0M0)Grade3の類内膜癌で脈管侵襲を伴っていた.術後後療法としてPaclitaxel・Carboplatin(TC)療法を6コース施行したが,治療6か月で多発肺転移を認め再発した.その後Adriamycin・Cisplatin(AP)療法施行し部分奏効(PR)を得たが,8コース後に転移巣の再増大を認めた.MSI-HighのためPembrolizumabを使用したところ3コースで多発肺転移巣の著明な縮小を認めた.6コース後に更なる縮小を認め(右肺下葉縦隔側46→7 mm,左肺底部32→3 mm),治療効果判定はPR(87%減少)であった.現在15コースまで施行し増悪を認めていない.癌種別では子宮体癌が最もMSI-Highの割合が大きいため,再発例では早期にMSI検査を施行すべきであり,Pembrolizumabを使用するタイミングを逃さないことが重要であると考えられた.

Key words:pembrolizumab, endometrial cancer, pulmonary metastasis, microsatellite instability
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