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第59巻 第4号

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原著
当院における家族性高コレステロール血症合併妊娠の検討
井上 美紗子, 眞弓 みゆき, 西田 恵子, 阿部 春奈, 大原 玲奈, 小畠 真奈, 濱田 洋実, 佐藤 豊実
筑波大学
関東連合産科婦人科学会誌, 59(4):381-386, 2022

 【目的】家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia:FH)合併妊娠の周産期予後と問題点を明らかにする.
 【方法】2008年1月~2020年12月に当院で分娩となったFH合併の5例8妊娠(1例が双胎妊娠)について,診療録を後方視的に検討した.
 【成績】8例中3例で妊娠中に薬物療法が行われた.LDLコレステロール値は妊娠24~31週に269±67 mg/dL(n=6)であった.産褥期に頸動脈超音波検査にて動脈硬化評価を行った4例中3例で動脈硬化所見を認めた.うち1例は妊娠3か月前にはなかった所見であった.分娩時期は単胎妊娠7例が正期産,双胎妊娠1例が36週の早産であった.児の先天奇形は認められなかった.産科合併症は,妊娠糖尿病が5例(62.5%),妊娠高血圧症候群が2例(25%)に認められた.
 【結論】FH合併妊娠では妊娠糖尿病の発症と,妊娠中にも動脈硬化が進行する可能性を念頭において管理することが望ましい.

Key words:Familial Hypercholesterolemia(FH), pregnancy, coronary heart disease(CHD), atherosclerosis
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