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第59巻 第4号

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症例報告
腹腔鏡下子宮筋腫核出術後5年を経過して診断・摘出に至った寄生筋腫の1例
手島 薫, 長井 咲樹, 齊藤 寿一郎
順天堂大学医学部付属順天堂東京江東高齢者医療センター婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 59(4):387-392, 2022

 寄生筋腫とは子宮から発生した平滑筋腫が子宮を離れ体内に生着したものを言う.近年,腹腔鏡下手術時の電動モルセレーター使用に伴う腹腔内への筋腫組織片残存による医原性寄生筋腫の発生が注目されている.今回,当院で腹腔鏡下子宮筋腫核出術を施行した約5年後に子宮筋腫の再発および腹壁皮下の寄生筋腫発生を認めた症例を経験したため報告する.
 症例は41歳,4妊2産
 33歳時に子宮筋腫のため当院初診し,腹腔鏡下子宮筋腫核出術を施行した.この時,電動モルセレーターでの筋腫回収を行った.約5年後に子宮筋腫の再発および前回手術痕部皮下に発生した寄生筋腫を認め腹腔鏡下子宮全摘術および寄生筋腫摘出術を行った.子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術は整容性や入院期間の短縮などの観点から優れた術式といえるが,検体回収時の電動モルセレーター使用は寄生筋腫の発生と関連付けられており注意が必要である.寄生筋腫の発生場所によっては高難度の手術となることもあり初回手術時において検体回収袋の使用や終了時の腹腔内洗浄など発生リスクを下げる努力をすべきである.

Key words:parasitic leiomyoma, laparoscopic uterine myomectomy
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