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第59巻 第4号

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症例報告
悪性卵巣腫瘍に対する審査腹腔鏡で診断されたGISTの一例
高木 駿, 樋田 一英, 金城 国俊, 古明地 康平, 吉田 司, 杉山 美智子, 舘 恵美里, 佐古 悠輔, 横田 祐子, 松岡 咲子, 齋藤 圭介, 塩田 恭子, 百枝 幹雄
聖路加国際病院女性総合診療部
関東連合産科婦人科学会誌, 59(4):469-474, 2022

 近年,進行卵巣癌において生検および腹腔内観察の目的での審査腹腔鏡手術が推奨されつつある1).今回,卵巣癌化学療法に先立つ審査腹腔鏡手術によってGastrointestinal stromal tumor(GIST)が判明しイマチニブでの加療を選択することができた症例を経験した.77歳女性が腹部違和感を主訴に受診した.骨盤内腫瘤,腹膜播種を認め,右卵巣癌が疑われた.Optimal surgeryは困難が予想されたので化学療法に先立ち審査腹腔鏡手術を施行した.病理結果よりGISTの診断となった.消化器内科に転科しイマチニブ300 mg/dayが開始され病巣は縮小傾向である.本症例では審査腹腔鏡手術を施行したところ適正な化学療法を選択することができ,速やかに薬物療法にスムーズに移行することができた.今回の症例により進行卵巣癌を疑う症例に対する審査腹腔鏡手術の有用性を改めて認識することができた.

Key words:Gastrointestinal Stromal Tumor, Ovarian cancer, Staging laparoscopy
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