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第59巻 第4号

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特集 第142回学術集会優秀演題賞演題
新型コロナウィルス流行下における横浜市災害時小児周産期リエゾンの活動報告
小畑 聡一朗1), 榎本 紀美子2), 倉澤 健太郎3)
1)横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター
2)神奈川県立こども医療センター産婦人科
3)横浜市立大学産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 59(4):493-498, 2022

 神奈川県では災害時小児周産期リエゾン(以下周産期リエゾン)が新型コロナウィルス流行下において同ウィルスの感染者の妊産婦の受診,入院の受け入れ調整を行った.本検討では2020年5月から2021年9月までの間に周産期リエゾンが受け入れ調整をした症例を後方視的に解析した.
 対象期間に調整を要した症例は260例あり,緊急受診または入院を要したのは61例みられ,うち7例は陣痛発来しており分娩対応を要した.相談症例数が少なかった活動開始当初は,各種体制の整備が十分でなかったことなどを反映し,全体の症例数に比して多い相談症例が見られた.患者数が増大した流行の第3波にあたる2020年12月から2021年1月の時期には調整を要した例も急増したが,各医療機関と調整し,受け入れ施設を増やすことで対応でき,その後の更なる症例数の増加を認めた2021年7月から9月の第5波においても全症例で対応が可能だった.また保健所と各医療機関の間の連携をとること,各施設の受け入れ可能な範囲を把握し,症例の受け入れを調整することで,周産期医療体制の維持をすることができた.
 新型コロナウィルス陽性の妊産婦では一部で重症化例や分娩対応を要する症例があり,これらの症例では速やかに医療機関へ受け入れることが必要であるが,周産期リエゾンを介して行政と各医療機関の間で連携をとることにより,スムーズな受け入れと周産期医療体制の維持が可能だった.

Key words:COVID-19, Pregnancy
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