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第60巻 第1号

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原著
卵巣癌肉腫の治療に関する後方視的検討
小島 大紀, 鈴木 瑛太郎, 富田 圭祐, 上井 美里, 黒田 高史, 野口 大斗, 川畑 絢子, 平田 幸広, 竹中 将貴, 飯田 泰志, 矢内原 臨, 岡本 愛光
東京慈恵会医科大学附属病院産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 60(1):17-24, 2023

 卵巣癌肉腫(Ovarian carcinosarcoma:OCS)は予後不良であり,希少性ゆえに標準的な治療は確立していない.当院で過去19年間に12例のOCSの治療を経験し,臨床経過と治療について後方視的に検討した.年齢の中央値は59.5歳(40~77歳)で,観察期間の中央値は55.5か月(2~185か月)であった.I期5例,II期4例,III期3例,IV期0例であった.9例でPDSを施行し,2例でNAC+IDSを施行した.1例は腫瘍生検のみで根治術と化学療法のいずれも行われなかった.卵巣癌基本術式(単純子宮全摘術,両側付属器摘出術,大網切除術)は10例に行われた.骨盤リンパ節郭清は9例,傍大動脈リンパ節郭清は8例に行われた.腸管切除を要したのは6例であった.完全摘出した症例が10例で,1例は1 cm以下の残存病変を認めた.術後療法は9例にTCあるいはdose-dense TC療法が行われ,2例にIP療法が行われた.無治療の1例を除いた11例のうち,観察期間内に4例が再発し,内3例が死亡した.長期生存している症例の特徴として,早期であること,初回手術で完全摘出していること,術後後療法としてプラチナ製剤を含む多剤併用療法を用いていることが挙げられた.OCSの治療に関して文献的考察を含めて報告する.

Key words:ovarian cancer, ovarian carcinosarcoma, therapy, retrospective study
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