2000年に正期産の単胎骨盤位分娩は経腟分娩よりも選択的帝王切開の方が児の周産期予後が良いと発表されて以降,本邦でもその分娩様式は選択的帝王切開が多くなってきている.当院でも正期産期の骨盤位は基本的に選択的帝王切開術を施行するが,患者が希望した場合には説明と同意を得た後に妊娠37週に手術室でβ刺激剤投与と脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔下に胎児外回転術(external cephalic version:ECV)を実施している.過去の報告ではECVの成功率は60%程度とされ,臍帯脱出,常位胎盤早期剝離等の合併症を引き起こし緊急帝王切開となる頻度は1%程度とされており,ECVの成功予測因子を抽出し患者選択を最適化することが必要である.今回当院で過去5年間にECVを実施した50例について後方視的に検討し,ECVにおける成功予測因子の抽出を試みた.ECV成功の有無で2群に分けそれぞれの患者背景を診療録等より抽出した.t検定及びWilcoxon検定を用い,統計学的に有意な傾向がある因子についてROC曲線を用いてカットオフ値を決定し多重ロジスティック回帰分析を用いて解析した.結果として非妊時BMI <22とAFI >11がECVにおける独立した成功予測因子と判明した.
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