卵巣甲状腺腫は全卵巣奇形腫の2~3%と稀な胚細胞性腫瘍であり,5%が悪性転化するといわれている.今回我々は診断に苦慮した悪性卵巣甲状腺腫の1例を経験したので報告する.症例は44歳,検診で下腹部腫瘤を指摘され,前医を受診された.卵巣腫瘍疑いで当院を受診され,右卵巣悪性腫瘍の疑いで手術施行した.迅速病理組織診断は良性卵巣甲状腺腫であったが,術後の病理組織診断で濾胞型乳頭癌の成分を含む悪性卵巣甲状腺腫の診断であった.悪性卵巣甲状腺腫は稀な疾患であり,今後の症例の蓄積が治療方針の確立に重要であると考える.
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