【緒言】Obstructed hemivagina and ipsilateral renal anomaly(OHVIRA)症候群はMüller管の癒合不全により,子宮形態異常,腟血腫,患側の腎形成不全を呈する稀な疾患である.今回OHVIRA症候群と診断した後,自然妊娠が成立し,36週で経腟分娩に至った症例を経験したので報告する.
【症例】23歳,1妊0産.妊娠前に撮影した骨盤部MRI検査で重複子宮を認め,患側の右子宮は腟との連続性を認めず留血腫も見られなかった.さらに右腎欠損を伴うことよりOHVIRA症候群と診断した.妊娠10週5日に当科にて左子宮に自然妊娠を確認した.妊娠31週5日に子宮頸管長は15.0 mmと短縮し,妊娠33週5日で切迫早産管理目的に緊急入院とした.妊娠36週0日に一時退院としたが,妊娠36週5日に前期破水し,妊娠36週6日に経腟分娩に至った.
【結語】我々はOHVIRA症候群と診断した後,自然妊娠が成立し,妊娠36週に経腟分娩に至った症例を経験した.OHVIRA症候群合併妊娠では本症例のように経腟分娩可能な症例もあり,形態異常の程度が多岐にわたるため,個々の症例に合わせた検討が必要である.
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