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第61巻 第1号

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原著
向精神薬内服中の妊婦の授乳方法選択に関する前向き観察研究
中島 文恵, 本多 泉, 松田 美奈子, 曽我 江里, 高原 めぐみ, 馬場 慎司, 中村 浩敬, 光山 聡, 谷口 義実
東京都立多摩総合医療センター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 61(1):1-8, 2024
https://doi.org/10.60311/kjog.61-1.1

 目的)向精神薬内服中の妊婦は過去には断乳していたことが多かった.薬剤の母乳移行と児への影響に関するデータが蓄積され,現在は薬物療法と母乳栄養が両立することは国際的コンセンサスとなっている.しかし長期的な授乳状況は不明であった.今回当院における向精神薬内服中の妊婦の長期的な授乳状況,授乳の満足度などを調査した.
 方法)当院で分娩予定の妊婦のうち向精神薬内服中の妊婦に対し,妊娠中,産後1か月,3か月,6か月にアンケート調査を実施した.
 成績)11名から研究の同意を得た.産後1か月時点の授乳方法は完全人工栄養6名,混合栄養5名,産後3か月時点では完全人工栄養7名,混合栄養3名,産後6か月時点では完全人工栄養6名,完全母乳栄養1名であった.授乳方法に対する満足度は概ね高かった.
 考察)長期的には完全人工栄養の割合が高くなる傾向にあった.満足度の高い授乳・育児をできるようサポートするために,向精神薬内服妊婦に対して授乳方法の積極的な情報提供と長期的なサポート体制を確立することが重要である.

Key words:lactation, breastfeeding, psychotropic medications
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