【緒言】子宮体癌の再発と鑑別を要したサルコイドーシスの一例を経験したので報告する.
【症例】42歳,0妊0産.1年7か月前に子宮体癌に対して広汎子宮全摘術,両側付属器切除術,大網部分切除術を施行した.術後組織診断では子宮体部類内膜癌Grade 2で左卵管采に転移を認め,pT3aN0M0の診断となり,術後DP(ドセタキセル+シスプラチン)療法6コース施行した.経過観察中に施行した単純CTで肺門部,縦隔リンパ節腫脹,肺野多発結節を認めた.再発と考えDP療法を1コース行ったが,再発部位が非典型的であったため気管支鏡下生検を施行し,腫大リンパ節から非乾酪性類上皮肉芽腫が検出された.その後血清可溶性インターロイキン-2受容体,アンジオテンシン変換酵素活性,リゾチームの上昇や心筋肥大,18F-FDG PETでの異常集積の所見があり,サルコイドーシスの診断となった.プレドニゾロン投与でサルコイドーシスは寛解し,現在子宮体癌は再発なく経過している.
【考察】子宮体癌の肺門部,縦隔リンパ節転移,再発は非典型的である.悪性疾患の転移や再発とサルコイドーシスは画像診断で同様の所見を示すため,両者の鑑別を要する場合に,組織診断なしでの鑑別は困難である.
【結語】悪性疾患治療後,経過観察中に非典型的な腫瘤を認めた場合は原病の再発以外にサルコイドーシスも鑑別に挙げるべきである.
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