子宮筋腫による後屈妊娠子宮嵌頓症を認め,第1子選択的帝王切開を行い,1年後に腹腔鏡下子宮筋腫核出術を施行し,6か月の避妊期間を経て第2子を自然妊娠し,問題なく選択的帝王切開を行えた1例を経験したため報告する.初診時26歳,以前より多発子宮筋腫を指摘されていた.自然妊娠が成立し近医で管理されていたが,妊娠18週に下腹部痛にて当院救急外来を受診した.子宮腟部は視認できず,ダグラス窩に8 cmの子宮筋腫を認めた.子宮筋腫変性痛と判断し入院管理した.下腹部痛は改善し外来管理としたが,経過中児は横位であり,妊娠35週のMRIにて子宮筋腫による後屈妊娠子宮嵌頓症と診断した.妊娠38週に術中超音波で切開部位を確認し選択的帝王切開を施行した.帝王切開1年後,挙児希望あり,子宮嵌頓症の反復を予防するために腹腔鏡下子宮筋腫核出術を施行した.腹腔鏡にて子宮底にある子宮筋腫2個がダグラス窩に嵌頓しており,後屈子宮だった.子宮筋腫を核出,筋層縫合した.子宮筋腫核出術6か月後自然妊娠が成立,第2子妊娠は大きな問題なく頭位で経過し,妊娠38週に選択的帝王切開を施行した.
稀な疾患である妊娠子宮嵌頓症の診断と帝王切開について,その後腹腔鏡下子宮筋腫核出術時の所見と第2子帝王切開について報告する.
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