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第61巻 第4号

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特集 第146回学術集会優秀演題賞演題
当院で胎児単一臍帯動脈と診断した症例の転帰と合併異常の傾向について
小松 登, 五條 実生子, 山下 創, 山田 諭, 寺尾 美代子, 吉田 志朗
長野県立こども病院総合周産期母子医療センター産科
関東連合産科婦人科学会誌, 61(4):485-491, 2024
https://doi.org/10.60311/kjog.61-4.485

 単一臍帯動脈(Single Umbilical Artery,SUA)はヒトで最も多い解剖学的構造異常と言われている.2014年1月~2023年12月に当院でSUAと診断した253症例の転帰と合併異常について報告する.21例が流産期に子宮内胎児死亡,人工妊娠中絶で妊娠終結となった.妊娠継続した症例で分娩経過が不明な28例,多胎の5例を除いた単胎妊娠199例を後方視的に検討した.当院で周産期管理した症例は75例,他院で分娩し分娩経過が確認できた症例が124例であった.199例のうち胎児発育不全は48例(24.1%),先天性心疾患は39例(19.6%),羊水量異常は32例(16.1%),遺伝子・染色体異常は24例(12.1%),消化管閉鎖を18例(9.0%)に認めた.SUAと胎児発育不全以外に異常所見を認めなかった孤発性SUAは127例(63.8%)であった.孤発性SUA症例の分娩経過は良好であったが,低出生体重児を24例(19%)に認めた.SUAの胎児は合併異常を認めなければ予後良好であるが,低出生体重児のリスクは高かった.SUAに先天性心疾患や腎形態異常を合併する場合は染色体異常を伴う可能性が高く,羊水過多を伴う症例は消化管閉鎖を伴う可能性が高かった.SUA症例は低出生体重児や合併疾患のリスクを考慮すると,胎児精査や新生児の対応が可能な施設での周産期管理が勧められる.

Key words:Single Umbilical Artery, Chromosomal Abnormality, Fetal Growth Restriction, Congenital Heart Disease, VATER/VACTERL Association
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