妊娠中の心停止は,妊娠2万例に1例程度に見られる1).帝王切開中の心静止の原因として,肺塞栓症,術中出血,敗血症,周産期心筋症などが挙げられる.日常診療において,遭遇する頻度は非常に少ないが,母児の救命のためにその原因や対応について,日頃から備えておく必要がある.一方で必ずしもこれらの原因に当てはまらない症例も少なくなく,症例に応じた対応,麻酔科,救急科はじめとした他科との連携が母児の生命予後の向上には不可欠である.
今回,既往帝王切開術後妊娠の妊娠高血圧腎症患者に対して,妊娠37週1日に帝王切開を施行中に,術中心静止を認めるも,麻酔科,救急科と連携して早期に対応することで,救命し得た1例について報告する.
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