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第62巻 第1号

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症例報告
外来で抜去困難な子宮内避妊用具をレゼクトスコープとディスポーザブル硬性子宮鏡を使い分けて抜去した2例
村元 勤, 藤野 翔太郎, 本田 理貢, 山本 さやか, 今井 宗, 佐近 普子, 小林 弥生子
長野市民病院婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 62(1):64-69, 2025
https://doi.org/10.60311/kjog.62-1.64

 子宮内避妊用具(IUD)は避妊目的で子宮内に装着する器具で,留置・抜去が外来で可能で広く使用されている.定期的交換をせず長期間留置すると抜去のための牽引糸が脱落したり,糸が子宮内に迷入したりすることで抜去困難になりうる.抜去困難時には子宮鏡下手術が有用だが,困難例における子宮鏡による抜去法の詳細を紹介した報告やディスポーザブル硬性子宮鏡を使用した報告はない.抜去困難なIUDをレゼクトスコープとディスポーザブル硬性子宮鏡を使い分け抜去した症例を経験した.症例1は76歳2妊2産,50歳頃に閉経で,約45年前に留置したIUDをモノポーラレゼクトスコープで抜去した.術中所見でIUDの可動性が低下しており,IUDが筋層内に迷入していたため電気メスで迷入部を切開,ループ電極に引っかけ回収した.症例2は45歳4妊2産で,海外で約10年前に留置したIUDをディスポーザブル硬性鏡で抜去した.術前超音波検査で材質が金属製である可能性が高くディスポーザブル硬性子宮鏡を選択した.術中所見でIUDの可動性は保たれ組織への迷入はなく,グラスパー鉗子で本体を把持し抜去した.IUDを長期留置した場合に筋層内に迷入することがあり抜去にはレゼクトスコープが有用である.海外で留置したIUDでは金属製のことがあり,把持力の強いグラスパー鉗子が使用できるディスポーザブル硬性子宮鏡が有用で,症例ごとの使い分けが有効であった.

Key words:hysteroscopy, intrauterine device, disposable operative hysteroscopy system, resectoscope
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