日本では高齢化が進行し,日常診療においても高齢者に手術を実施する機会が増加している.高齢者は加齢に伴い臓器機能や身体機能の低下,多数の併存疾患,多剤内服など非高齢者と比較し様々な背景を有するため,治療前の機能評価が重要である.今回我々は高齢者機能評価ツールの一つであるGeriatric8(G8)が,婦人科領域において術前機能評価として有用であるかを検討した.2020年1月から2023年3月までに当院で全身麻酔下手術を実施した75歳以上の139名を対象とし,G8≦14点とG8>14点の2群間を比較検討した.G8≦14点群では,入院期間の延長,周術期合併症,術後せん妄,術後リハビリ介入が増加した.G8は婦人科領域において術前機能評価として有用である可能性が示唆された.
〒102-0083
東京都千代田区麹町4-7
麹町パークサイドビル402
(株)MAコンベンションコンサルティング内
E-mail:kantorengo@jsog-k.jp