子宮頸部細胞診で異型腺細胞(atypical glandular cells:AGC)と判定された症例は原因疾患が多岐にわたるため慎重な管理を要する.AGCと判定され当院を初診した症例及び当院初診時の子宮頸部細胞診でAGCと判定された症例の合計77例について組織診結果等を後方視的に検討した.29例(37.7%)に組織診異常が検出され,浸潤癌は11例(14.3%),子宮頸部上皮内腫瘍,上皮内腺癌,子宮内膜異型増殖症といった上皮内病変は16例(20.8%)だった.ハイリスクHPV検査は46例に施行し,陽性17例(37.0%),陰性29例(63.0%)だった.上皮内病変以上の組織診異常を検出したのは陽性群12例(70.6%),陰性群2例(6.9%)で,陽性群において有意に高率だった(p<0.05).ハイリスクHPV検査は,AGCと診断された症例において診断や管理における一助となる可能性がある.AGC持続かつハイリスクHPV検査が陽性であれば子宮頸部に高度病変を有する可能性が高く,円錐切除術を含めた積極的精査を検討すべきである.
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