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第62巻 第4号

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症例報告
NIPT非認証施設での結果と胎児超音波検査での外性器所見に乖離を認めた一例
森田 晶人, 日下田 大輔, 豊田 奏子, 田中 亜由子, 内山 陽介, 佐藤 達也, 岩瀬 明
群馬大学医学部附属病院産科婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 62(4):476-481, 2025
https://doi.org/10.60311/kjog.62-4.476

 無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)の受検には,検査前後の適切な遺伝カウンセリングが重要だが,このような体制が構築されていない非認証施設で受検する妊婦も少なくない.今回,非認証施設でのNIPT結果と胎児超音波検査での外性器の形態に乖離を認め,遺伝カウンセリングを行った症例を経験した.
 症例は31歳,3妊0産.凍結融解胚移植で妊娠し,非認証施設でNIPTを受検し,微小欠失を含めて陰性であり,46,XYとの結果であった.近医での胎児超音波検査で陰核様の構造を認め,妊娠18週に当科を初診した.初診時の胎児超音波検査では外性器の判別は困難であり,妊娠20週に高度尿道下裂と性分化疾患の鑑別は出生前には困難であることや性の概念について産科医と小児内分泌科医よりカウンセリングした.妊娠40週6日に経腟分娩した.児は3,080 gで高度尿道下裂が疑われた.出生時の所見から小児科医より性の決定に関するカウンセリングを行ったが,両親が児の染色体検査の実施に疑問を呈したため,産科医と小児科医より遺伝カウンセリングを行い,最終的には受検を承諾した.G分染法では46,XYで,MRI検査でも精巣が確認された.
 非認証施設でNIPTを受検したカップルに対しては,適切な遺伝カウンセリングが提供されていないことや検査精度の問題を考慮し,結果を慎重に解釈した上でカウンセリングを行うことが必要である.

Key words:Gender Identity, Genetic Testing, Hypospadias, Noninvasive Prenatal Testing
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