Uterine tumor resembling ovarian sex cord tumor(以下UTROSCT)は卵巣性索間質性腫瘍に類似し,子宮内膜間質に発生する稀な子宮腫瘍である.一般に予後は良好だが再発や転移の報告もある.今回我々は術前にUTROSCTと診断し腹腔鏡下子宮全摘出術を施行した一例を経験したので報告する.症例は55歳女性.不正性器出血を主訴に前医を受診した.腟鏡診で子宮口より突出する拇指頭大の子宮筋腫様腫瘤を認めた.前医で経腟的に腫瘍切除術が施行された.病理組織検査でUTROSCTを疑い紹介となった.当院で施行した子宮内膜組織診の免疫組織化学染色からUTROSCTと診断した.骨盤MRI検査で子宮内腔に突出する腫瘤性病変を認めUTROSCTの残存が疑われた.残存腫瘍の切除目的に腹腔鏡下子宮全摘出術および両側付属器摘出術を施行した.摘出物の病理組織検査で核異型が乏しい卵円形核を有する腫瘍細胞の索状構造を認めた.免疫組織化学染色でcalretininを含む複数の性索間質系マーカーが陽性となり残存腫瘍はUTROSCTの診断となった.追加治療は行わず経過観察とした.現在,術後14か月が経過しているが再発所見は認めていない.本疾患は再発,転移の可能性もあることから慎重な経過観察が必要である.今後の症例の蓄積が望まれる.
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