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第62巻 第4号

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症例報告
閉経後に巨大漿膜下子宮筋腫捻転と子宮捻転を併発し,術前に急激な貧血を呈した2例
小松 登, 長原 大二郎, 横川 裕美, 塩原 茂樹
社会医療法人財団慈泉会相澤病院
関東連合産科婦人科学会誌, 62(4):527-533, 2025
https://doi.org/10.60311/kjog.62-4.527

 子宮捻転は子宮が縦軸を中心に45度以上回転する稀な病態である.当院で経験した閉経後の子宮捻転の2症例について報告する.症例(1) 70代,0妊,閉経52歳.腹痛を主訴に当院を受診し,造影CT検査にて上腹部まで達する子宮腫瘤を認めた.第16病日の血液検査はHb 5.7 g/dL,WBC 12,970,CRP 14.1 mg/dLで腫瘤内の出血や感染が疑われ入院し,輸血と抗菌薬の投与を開始した.第16病日に造影MRI検査を行い,第25病日に単純子宮全摘術,両側付属器切除術を施行した.術中に子宮筋腫が360°,子宮体部と頸部の間で360°捻転していることを確認した.症例(2) 70代,0妊,閉経50歳.下腹部痛のため当院を受診し,造影CT検査では巨大な子宮腫瘤を認め,捻転も否定できないと考えられた.同日入院し第2病日に造影MRI検査を行い子宮筋腫茎捻転が疑われた.第4病日にはWBC 10,260,CRP 19.2 mg/dL,Hb 7.2 g/dLと腫瘤内の出血,感染が疑われた.第7病日に単純子宮全摘術,両側付属器切除術を施行した.子宮筋腫は540°,子宮は体部右側で180°,子宮体部と頸部の間で180°捻転しており,捻転により子宮体部と頸部はほぼ離断されていた.2例ともに術中に子宮筋腫捻転と子宮捻転の併発と診断した.子宮筋腫は閉経後に縮小することが多いが,巨大な腫瘤が残存することは子宮筋腫捻転,子宮捻転のリスクになることに注意が必要である.

Key words:uterine torsion, anemia, leiomyoma, post menopause, acute abdomen
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