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第63巻 第1号

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症例報告
子宮悪性腫瘍の転移により腸重積症をきたした症例
川島 優貴, 楠瀬 祐太郎, 葉梨 真由子, 村上 楠菜, 鷺坂 誠宏, 林 元茂, 二神 真行
東京医科大学病院茨城医療センター産婦人科
関東連合産科婦人科学会誌, 63(1):16-21, 2026
https://doi.org/10.60311/kjog.63-1.16

 腸重積症は,口側の腸管が連続する肛門側の腸管に入り込むことによって腸閉塞状態となる病気である.小児救急では日常的に遭遇する代表的な病気であるが,成人では稀である.82歳女性.腰痛を主訴に前医を受診し,下腹部腫瘤を指摘され,子宮腫瘍として当科紹介となった.精査の結果,子宮肉腫IVB期(肺,脾門部,肋骨転移)と診断した.出血リスク軽減目的に子宮を摘出することとし,腹式単純子宮全摘出術と両側付属器摘出術を行った.子宮は超成人頭大で腫瘍の漿膜面への露出はなかった.腹腔内播種はなく,後腹膜リンパ節腫大もなかった.術後5日目に嘔吐を認め,腹部レントゲン検査でニボーおよび小腸ガス像を認め,術後腸閉塞として絶飲食とした.しかし軽快せず,術後7日目の腹部造影CT検査で腸重積症の診断となり緊急手術となった.Treitz靱帯から170 cm肛門側の位置で重積している小腸を認めた.整復は容易であったが,先進部に小鶏卵大の腫瘤を触知したため小腸腫瘍摘出ならびに小腸吻合術を施行した.術後経過良好で退院した.摘出子宮の病理診断は横紋筋並びに軟骨肉腫であった.変性壊死高度で最終的には子宮癌肉腫の診断となった.小腸腫瘍は子宮腫瘍の転移であった.子宮悪性腫瘍術後の腸重積症発症の報告は極めて稀である.術後早期に腸閉塞をきたした場合は,外科的適応を考慮し診療にあたる必要がある.

Key words:uterine malignant tumor, metastasis, intussusception
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